紙の保存方法
紙は文房四宝の中でも非常に大切な役割りを果たす道具です。
それだけに紙の保存には万全の注意を払い、より良い作品創りに活かしたいところです。
保存について
直射日光のあたらず、風通しが良く、湿気が少ない場所をお選びください。
桐ダンスの中、タンスの上などが良いと思われます。
紙が呼吸をできる状態にしてください。
新聞紙で包むか、和紙で包むのが良いと思われます。
また、防虫香などを添えることで、虫食いの予防になります。
ビニール素材などで密封されますと、紙が呼吸できなくなる為、シミなどの原因となります。
それだけに紙の保存には万全の注意を払い、より良い作品創りに活かしたいところです。
保存について
直射日光のあたらず、風通しが良く、湿気が少ない場所をお選びください。
桐ダンスの中、タンスの上などが良いと思われます。
紙が呼吸をできる状態にしてください。
新聞紙で包むか、和紙で包むのが良いと思われます。
また、防虫香などを添えることで、虫食いの予防になります。
ビニール素材などで密封されますと、紙が呼吸できなくなる為、シミなどの原因となります。
紙を寝かせる
「紙を寝かす」という言葉がありますが、一般的に紙は漉きたてのものよりも数年経ったものが良い。
と言われています。 紙を寝かせることにより、次のように紙は変化します。
紙の繊維が締まる
墨が紙に十分に浸透するが、ニジミが少なくなる
墨色が美しくなる
カスレが美しくなる
筆の紙離れが良くなり、相対的に書きやすくなる
紙は湿気を吸い、湿気を吐き出し、それを繰り返すことによって、糊気と水分を飛ばしていきます。
その糊気や水分を飛ばして乾燥した状態の紙を『枯れた紙』といいます。
この『枯れた紙』は、筆あたりが良く墨色の発色の良さはもちろん、ニジミとカスレを美しく表現することが可能になります。
紙を寝かせることによって、多少黄ばみやシミ(「星」と呼ばれる)が出ることもありますが、逆に重宝がられる事もありますのでご心配には及びません。
しかし、十分に寝かせていても保存方法を間違えると、『紙が風邪をひく』という現象が起こり、漉きたての紙よりも質を低下させる事もありますので、紙の保存には十分な注意が必要です。
紙のサイズ
小数点以下を切り捨てて表記している場合があります。
サイズ(尺) | サイズ(cm) | 備 考 |
---|---|---|
半切 | 35x136 | 全紙の幅半分 |
4尺全紙 | 70x136 | 全紙や小画宣と言います |
尺八屏 | 53x234 | 中国画仙しかないサイズ |
1.75×7.5 | 53x228 | 2×8尺の額にマット部分を見せる場合のサイズ |
3尺x6尺 | 90x180 | 大画仙とも言います |
3尺x6尺(中国画仙) | 97x180 | 額装の時に問題になることがありますので、幅に注意 |
2尺x6尺 | 60x180 | |
2尺x8尺 | 60x240 | 2×8尺の額にマット部分を見せない場合のサイズ |
3尺x4尺 | 90x120 | |
3.5尺x4.5尺 | 105×135 | |
4尺x4尺 | 120x120 | |
3尺x8尺 | 90x240 | |
半紙 | 24×33.3 | |
半紙三枚つなぎ | 24×100 | 半紙を縦に三枚つないだ長さ |
宣紙とは?
宣紙とは、1500年前から中国の安徽省涇県宣城一帯で漉かれる紙のことです。
ニジミとカスレが抜群に良いとされており、日本でも数多くの方々に 書や水墨画に幅広く使用されています。
宣紙の種類
ニジミとカスレが抜群に良いとされており、日本でも数多くの方々に 書や水墨画に幅広く使用されています。
宣紙の種類
棉料単宣
基準となる種類です。薄手です。
宣紙の原材料配合率を 青檀皮 約30%/稲藁 約70%という配合で製造。
浄皮単宣
厚さは棉料単宣と同等。
宣紙の原材料配合率を 青檀皮 約40%/稲藁 約60%という配合で製造。
棉料重単宣
単宣を少し厚く漉いています。単宣よりも墨色に深みが出ます。
棉料綿連宣
単宣よりも薄く漉いています。墨の色が最も美しく出ると言われています。
棉料夾宣
漉く際に二度すくいして漉いています。単宣を2枚合せにした程度の厚さがあります。
棉料二層夾宣
紙が厚くなる為、墨色に深みが増します。力強い表現に適します。
夾宣を乾燥させる際に2枚重ねにし、1枚の紙として乾燥させています。
厚さがある為、墨が紙の奥深くに浸透し、横への広がりが少なくなります。
夾宣よりも更に力強さが表現できます。
以上の様に、紙が厚ければ厚い程、墨が紙に深く浸透することになり、力強さを表現しやすくなります。
反面、墨の吸い込みが強いということになりますので、筆の動きが重くなります。
墨の量も沢山必要になり、同時にカスレが出やすくなります。
反対に、紙が薄ければ、墨が紙の裏まで到達しやすくなりますので、切れ味を表現しやすくなります。
また、厚い紙に比べて墨の吸い込みが弱くなりますので、筆の動きが軽くなります。